夜景がよく見えるこの場所は、とても好きだ。
小さい山の山頂にある神社は、とても見晴らしがいい。
こんなに素敵な夜景を、私は特等席で見ている。本当に素敵だ。
出来ればこの夜景をここの神主にも見て欲しいけれど、私がいる場所は、この神社の屋根の上だから、絶対に無理なのだ。
「夜空は、綺麗は綺麗だが、やっぱり大昔に比べれば、町は明るいな」
私はこの神社が建てられた時から今までずっとこの町を見守っていた。
畑ばかりだった土地に家が建ち、人が住み着きどんどん発展をしていった。
「自然が犠牲になりながら、ね」
それでもこの町の人達は、この神社を愛してくれている。慕ってくれている。
それだけで、私はとても幸せな気持ちになる。自然の犠牲を伴い、私が私でいられる基盤が出来上がったのだ。
「夜空に輝く星たち、星に照らされる町よ。私は、ずっと見ているから、ずっと、味方でいるから。だからどうか、一人でも多く、心穏やかに暮らしてほしい。
神の願いだ……」
夜空には沢山の星が煌めいている。
町にはたくさんの営みが垣間見える。
私は、この町、国が大好きだ。
9/18/2023, 11:27:13 AM