早速だが僕には幼馴染がいた。
そいつは僕に比べて優秀で…何でもできる、そんなやつだった。
そして何だか最近よく絡んでくる気がしてならない。
今日に至ってはついに一緒に登校しようと家の前で待ち構えていた。
絡んでくることを聞いてみようと思ったがなかなか聞けず…という日が続いているしこのタイミングで聞こうと思っていた…
「聞けなかった…」
もうこう思うのも何度目だろうか。その後にいつも明日は聞いてみようと考えるつつ学校を出るのだが…
「一緒に帰らない?」
そいつがいた。
今日こそ聞けるかもしれない。
一緒に帰ることにした。
…がやはり他愛もない会話で家の近くまで帰ってきてしまった。別れようとしたその時だった。
そいつ―彼女は僕の前に出て振り返ってこちらを見ながらこう言った。
「最近なんでこんなにも絡んでるか分かる?」
まるでこちらを見透かしたようだった。思わず僕は首を横に振った。
「それはね…私があなたを好きだから。」
その言葉はこちらの時間を止めたようだった。思い返そうとしてもその言葉しか思い出せない。ただ一つ思い出せそうなことは…
「彼女が逆光でとても美しく見えた」
そんなことだった。
1/24/2023, 11:14:34 AM