ゆめ。

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※😭⚡、トリップ系

 正午、太陽が容赦なく照りつける時間帯。有給を使って日々の疲れを癒していた私は流石に空腹を感じたため外出することを決意。パソコン触ってたから首とか痛いし、まぁ軽い運動だと思えばいっか、と思ってひねった玄関のドアノブ。

「………へ、」

思考が止まる。目の前にあるのはザ・田舎の道。あれ、私の家ってそこそこの都会にあるんじゃなかったっけ?てかそもそもマンションじゃなかったっけ?知らないうちに田舎の一軒家に引っ越しちゃってたっけ??

「……ここどこやねん」

一旦とりあえず家に帰りまして、状況整理。疲れてるだけかも?説を推して再度外に出たら広がる知らない土地。えー、夢ちゃうん……。どうしよ、と本気で困惑したのも束の間、今度は夢では説を推す。だってそうだ、私は普段会社勤めしてるただのOL。疲れてみた夢の可能性だってあるじゃないか。……分からんけど。

「ん〜〜……、まぁ考えてもしゃーないし、外出てみるかぁ…」

私は外に出ることにした。





訂正します、ここは夢であって夢じゃないです。どういうことか?そんなの決まってるだろ推しキャラが普通に外歩いてたんやバカヤロウ。しかも裸足で。ボロボロの着物を着て。お腹を空かせて。エ、なんて拷問???

一先ず家に連れ帰ってきた私は偉い。なに?誘拐じゃないかって?大丈夫、今より許容範囲の広い大正時代だからきっとなんとかなる(?)。それに、何も本人に確認もせず連れてきたわけじゃない。そんなことしたらほんとに誘拐になってまうやん。

「えーっと、連れてきといてなんだけど…キミ、警戒心ないね?」

大丈夫?
一ファンとしてはとても不安なことなんやけれども。

「…おねーさん、音がきれいだから。それにうそついてないでしょ」

だから信じる。
そう言って困り顔で笑った私の推し。元い将来黄金色の髪を手にするであろう雷の彼。文章では、映像では、いくらでも知ってる。その小さな身体で大変なことがたくさんあったんだろう。たくさんの苦労を重ねてきたんだろう。形容し難い感情がむくむくと膨らんでいく。彼を大切に大切に育ててあげたい。けれど…それはきっと許されないことなんだと思う。

だから………

「おねーさんはいつでも君の味方だからね!」

辛い思いをするであろう君に、応援の言葉をかけることだけは許してぇや。


続かない。

『またね、って言ったら君は笑った』

8/7/2025, 9:56:20 AM