「結婚してください」
ドラマでよく見るシーンのように、片膝をつき、キミに指輪を見せながらプロポーズすると
「…ありがとう。よろしくお願いします」
キミは指輪を受け取り、涙を耐えるように、口元に手を当てる。
「ありがとう。その指輪に込めた想い、必ず叶えるね」
プロポーズを受けてくれたキミを抱きしめ、そう言うと
「…指輪?」
キミは手の中にある指輪をじっと見つめた。
「…これ、フラワーモチーフなんだね。無知でごめんなんだけど、何の花か聞いてもいい?」
僕の腕の中で顔を上げたキミに
「それは、デルフィニウムって言うんだ」
「デルフィニウム?」
「うん。花言葉が、キミへの想いと同じだったからそれにしたんだ」
選んだ理由を教えると
「そうなんだ。花言葉、あとで調べてみるね。ステキな想いを込めてくれてありがとう」
キミは微笑む。
僕が渡した指輪は、青のデルフィニウムをモチーフとしたもの。花言葉は、あなたを幸せにします。
「今以上に、2人で幸せになろうね」
渡した指輪に誓うように、僕は抱きしめた腕に力を込めたのだった。
4/8/2025, 8:18:19 AM