19日目
明日もきっと君に会える。
あなたに会えることが親も友達も居ない私にとっての唯一の生きがいだった。
2年前の冬。
私が余命を告げられたあの日、あなたと初めて出会って、私は一瞬で恋に落ちた。
あなたが私に笑いながら話しかけてくれた日、あなたの透き通った瞳に私が写った。
明日もきっと会える。
その次の日も次の日も、毎日会えるだろう。
友達でも恋人でもない私たちの関係を言葉で表すのは難しい。
でも、私たちは、互いに互いを求め合うようになった。
あなたが余命宣告をされた日、私はあなたとまだ蕾のなっている徒桜の木の下で約束する。
私とあなたが旅立つ日、その約束は果たされる。
私とあなたが永遠に眠った日、桜の花は儚く散る。
「私とあなたが死ぬ時は徒桜が空を舞った4月の春暖」
9/30/2023, 5:54:14 PM