待って、まだ私は。 小鳥のように弱く濡れた声は、赤黒くて寒い部屋に谺するだけだった。誰かの手を借りないと動けない話せない私は、貴方がいないと何も出来ない。紅茶を飲むことも、花を嗜むことも、フリルのドレスに心を踊らせることも。 私はたかが人形。ドール。玩具。 何れ手放される日が来るのは分かっていた。それでも私は、まだ貴方と……<終わらせないで>
11/28/2023, 3:30:36 PM