「なあ!こいつだけはやめてくれよ!!」
「たのむ!!!」
「おれたちなんにもしてねぇだろ!?」
あれは忘れられない、夏のある日。
大切な、大切な、大切な仲間を失った日だ。
あいつとおれを離れ離れにさせた犯人はとっくに知っている。顔も名前も覚えている。
だが、復讐は未だに出来ていない。
おれは犯人に監禁されているからだ。今もーーーー
「たかし何書いてんの!もうすぐご飯よ!」
「ちっ、分かったよ、母さん」
「そういえば、押し入れであんたが昔大事にしてたぬいぐるみを見つけたのよ」
「捨てたと思ってたのにねぇ、不思議ね」
おれの復讐はいつのまにか終わっていた。
6/23/2023, 10:02:44 PM