「…ちょっと此方向いて」
「なぁに、って……もぉ、写真撮るなら言ってよ」
「桜拐われ感あったから」
「えー?見せて」
「ほい。……桜吹雪ならって思ったが、あんた本当
青空似合わないな」
「酷くない?」
「色白過ぎるんだよ。そろそろ帰るか」
「あ待って待って。後ね桜シェイク飲みに行きたい」
「……何処まで」
「えっとぉ、ここのお店」
「それ買ったら帰るぞ」
「心配性だなぁ、大丈夫だよ」
「足元見てから言え雪女」
「……あららぁ、ごめんなさいね?」
<快晴>
「地球って丸いじゃん」
「うん」
「遠くまで行っても、同じ所に戻って来るから
『果てが無い』って言うじゃん」
「そうだね」
「じゃあさぁ、『果てが無い』宇宙もさぁ、
ずっとずっと全部の星も見えないくらい、
重力も引力なんにもなくなるくらい
遠く遠くに行ったらさぁ、
案外元の場所に戻ってきたりするんじゃない?」
「……そうかもね」
「だからさ、待たないふりしてて。
空でも地面でもなく前見てて。
そしたらさ、帰ってきた時一番に気付くでしょ」
「……うん」
<遠くの空へ>
4/14/2024, 11:13:52 AM