霜月東

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「……綺麗、プラネタリウムよりも綺麗」

星が綺麗に見える丘の上で、君は寝転がりながら星を見ていた。俺は立ち尽くし、頷くことしか出来なかった。

「ねぇねぇ、もし良かったらさ、来年もここに来ようよ。絶対にだよ、約束だからね」

「……保証はできない」

あからさまに君の頬が膨らむのが目に見えてわかる。実際そうだ、今の世界じゃ命の保証はできない。いつ死ぬかも、いつ離れ離れになるのかも分からないのだから。

「まあいいや、君も寝転がりなよ。今は死ぬとか、戦うとか考えなくていいよ。あの星たちが、今の僕たちを見守ってくれているから」

君に促されて、渋々芝生の上に寝転がった。星々が円状に動いている。息をするのも忘れるくらい綺麗な夜空だった。

「綺麗っしょ?……あーあ、もっとはやくここを知りたかったなぁ。そうしたら…もう少し君と居られる時間が増えたのになぁ…」

「早くって、ここを取り戻せたのはつい最近だ。俺らが頑張ったおかげだ」

「そうだっけな…忘れちゃったかも」

君ははにかむように笑った。俺も君に釣られるかのように微笑んだ。

「あ、笑ってる」

「笑ってない、気のせいだ」

「笑ったよ、今」

下らない会話で笑ったのはいつぶりだろうか。この平穏がいつまでも続けばいいのに、流れ星が降ってきていないのにそう願い続けてしまう。

「まあでも、明日からの作戦も頑張ろうね。また次の作戦も生き残ったらさ、ここでふたりで宴を開こうよ」

「……まあ、それもありか。生き残ったら、が最優先の条件だがな」

「ふふっ、そうだね。君が死んだら僕も死んでやる、君を絶対にひとりにしないから」

君は小指を差し出した。俺もそれに指を絡める。今までで一番緊張し、一番大切な約束だった。

星々が祝福してくれているかのように、星が俺たちの姿を照らし続けていた。

4/5/2026, 6:28:54 PM