未知亜

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あっけにとられた僕に君は風のように笑った。

二度は言わないよー。

伸ばされた手が僕の右手からアイスをさらう。

あー。夏って感じする。

誤魔化すみたいに齧り付いた唇の端のクリームが、
まるで虫みたいに僕を引き寄せて。

口の端から君の味がこぼれる。


『こぼれたアイスクリーム』

8/12/2025, 9:56:37 AM