皆月いく

Open App


どうしてだろう。
いつからだったんだろう。
私が、「死」について考えてしまうのは。
夜が来る度に、眠る度に考えては泣いているのは、どうしてだろうか。
記憶の中の私はずっと泣いていて、昔住んでいたアパートの外に追い出されていて、息が苦しくなるまで泣いていて―――でも、どうしたら家に入れてもらえたのかあまり覚えてなくて、私はずっとわからないまま生きている。
私を苦しめていた母親は、私や妹になんの謝罪をすることもなくこの世を去って、私の中には、ずっと泣いていたときの息の苦しさが残ってる。
でも、父親にとっては、あの母親は「愛する妻」であることに気づいた。
葬式の日、私の隣で静かに泣いていたから。
できるだけ、見なかったことにしたかったけど、私が 母親の死を少しでも願わなければ、父親が泣くことはなかったんじゃないかな―――と後悔してる。
母親は、ずっと昔話ばかりしていて、今の私や妹のことなんて全然見ていないんじゃないかとすら思う。
母親曰く、生まれたばかりの私は、ずっと大声で泣いていたと言っていた。
今考えてみれば、私は「あの人の子どもになんて生まれたくなかった。」って訴えていたのかもしれない。

10/10/2023, 2:02:11 PM