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「海の底」

 太陽の光も届かない、暗い暗い海の底。海が時折、潮を渦巻くだけでそこには冷たさと孤独だけが広がっている。
 そんな場所に長いこといると、何もかも分からなくなっていく。私は誰なのか、どうしてここにいるのか、記憶が薄れていく。
 でも、一つだけわかる。私は待っている。人なのか、物なのか、具体的なことわわからない。けれどそれが私の使命だということだけははっきりと覚えている。
 いつか訪れるのなら、早く来てほしい。私が何もかも忘れてしまう前に。私という存在が暗い海の底で静かに泡となり消えてしまう前に。

1/20/2026, 3:01:26 PM