美しい
紅葉を模したかのような小さなてのひらをめいっぱい天に掲げて貴方は何を掴もうとしてるのだろう。
少し何かぶつかって仕舞えば壊れてしまいそうな、ガラス細工より繊細で綺麗な瞳がキラキラと光り輝いてみえる。
映り込んだ私の顔が貴方にどんなふうに見えるのか。
人差し指を目の前にかざせば小さな手が力を込めて握り返した。弱々しくさえ映る細くて小さな指に思わぬ力で握り込まれて温かな体温に命を感じた。
貴方を彩る世界が美しいものだけであればいいのに。
そう心から祈る私は、醜いものを知りすぎた。
美しいものが何かすらもうわからないまま、
ただただ、目の前で笑う美しい命の幸福を願う。
6/11/2025, 8:48:40 AM