ぱくぱくと何度か口を開閉させて、けれど結局何も言えずにぐっと息を飲み込む。言いたいことはたくさんあるのに何一つ出てきはしない。それでも涙は止まらなかった。 すると、そろりと私の目元に何かが当たった。顔をあげれば、友達が目の前で少しバツが悪そうに眉を下げている。「ごめんね、今日ハンカチなくて」 流れ落ちるばかりの私の涙を自分の袖を引っ張って拭ってくれながら、そう言った。"言葉にできない"
4/11/2024, 9:15:01 PM