長月より

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早苗「夏だ! 山だ! カブト狩りだ!」

翔吾「それを言うなら夏だ、海だ、潮干狩りだ、だろ」

早苗「残念ながらここは山の中なのでね。変えさせてもらったよ。しかし、海かあ。行きたくはあるな」

翔吾「いきゃあいいだろ。……片道二時間から三時間くらいか」

早苗「僕ら二人でいくには少し遠いな。いや、しかし、僕らはもう高校生。しようと思えば旅行くらいはさせて貰えそうな年齢だ。いや、でも、ワタシハ結構体が弱いから何かあったら困るし……」

翔吾「……早苗」

早苗「なんだいショーゴくん」

翔吾「なんかあったら俺が責任とる。俺に無理に引っ張って連れて来られたとでも言え。だからやりたいことをやめようとか、そういうのは考えるなよ」

早苗「ショーゴくん──優しいなあ。でも、僕は君のせいにするのは嫌だからね。それに責任をとるのは言うは易く行うは難しだ。簡単に言うてくれるなよ」

翔吾「……そうかよ」

早苗「まあ、でも、君の思いは確かに受け取ったよ。あ、そうだ。ここはどこぞの青春小説や漫画よろしくクラスのみんなで海にいくっていうのはどうだい? そうすれば何かあっても誰かがいるから安心できるし、なにより、面白そうだ」

翔吾「じゃあクラスの奴らに声かけてみっか」

早苗「ああ。是非ともそうしてくれ。可能なら、送り迎えをしてくれる保護者も手配してもらうようにお願いしよう」

6/28/2023, 10:16:20 AM