郡司

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無い物強請り、ないものねだり。普段使わない言葉なので、またもや調べてみた。だいたい言葉どおりらしいが、使われる文脈あたりで引っかかりを感じる。意味自体は「自分に無いものを欲しがること」とあるが、用法例文を読んだり記憶を手繰ってみると、ちょっと「焦点がズレて」いるように見える。

「無い物強請り」だと定義されるらしいとき、何れにも共通しているところがあるのだ。どの「ないものねだり」も自分の「外」に求めている。求めるものの多くが自分に無いと決めつけているからかもしれない。本当に、絶対的に、真実、自分に無いことを確かめたのだろうか。

それに、「自分そのもの」ではなく、自分の「環境条件」や、自分に纏わる「形」に、自分の求めるものを与えてくれる「神とか幸運みたいなもの」ありきで欲しがっている例文ばかりだ。しかも、本当に自分が求めているものの本質についてはものすごく曖昧で、当然、的(求める本質)を射抜く集中が無く、ただ嘆息するに終始している。

意味用法の例文を見ただけだが、ないものねだりと覚しき溜息が出るとき、ついでに「どうしてそうだったら良いのにって思うんだろう?」と考えて見るのは、きっと求めるものの本質にたどり着くための新しい間口を見つける糸口になる。ねがいの本質は大抵、シンプルなものだ。

溜息ついてないで、幸せな気分にならなくちゃ。

3/26/2024, 2:48:13 PM