ひらりはらりと舞い落ちる葉を横目に、今日も僕は公園で本を読んでいた。平日の午前中は人が少なく、30代無職の僕でも気兼ねなく利用できる。昼過ぎになってくると、幼児とその親が遊具を使い、3時を超えると小学生が占有する。誤ってその時間帯に公園に居てしまった時には、不審者として通報されてしまうかもしれない。特に僕は髭を剃るのが苦手で、かれこれ1年は髭を伸ばし、顔はサンタクロースのようになっている。
今日は天気もが良く、風も気持ちいい。プルーストの「失われた時を求めて」もそろそろ折り返しで、何気ない達成感みたいなのがあった。仕事もせず、実用的じゃない方向での自尊心の慰めが僕をどこにも連れていかないのは知っていたが、それでも、それすら辞めた時の僕の人生を想像するのがあまりにも怖くて、僕は本を読み続けた。
ひらりと葉が舞い落ちる。今年もまた1年が終わる。
3/3/2025, 5:53:29 PM