野良猫

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灰色の雲が赤く染まっていく

渇いた思考の繰り返し

今日も駅の階段を昇って雑踏のひとつとなる


窪んだ眼球が映すこの街の景色は

胸焼けがするほどいつも通りで

階段の手すりに掛けた指先に汗がにじむ


終わりの見えない日々に呼吸も出来ずに

飲み込んだ言葉は吐き出すタイミングを失って


見上げた空は焼けつくほどに赤く遠く


「もういいんだよ」


ふと、天使の声が聴こえた気がした

ホームにノイズ混じりのアナウンスが響く


「間も無く終点、終点になります」

8/11/2023, 8:41:31 AM