「もうすぐ冬になるね。」
エゾリスさんが言いました。
「ああ、そうだね。」
シマリスさんが言いました。
「ボクはさあ、冬、きらいじゃないんだよね。
そりゃあ食べ物とるのが大変になるけどさ。
空から降ってくる、白くてちらちらするあれに会えるし、世界が真っ白になって、その白いのが降り積もる音しかしない感じとか、ほんと、すきなんだよね。
木が透明なのに覆われて固まってたり、
光がキラキラ降ってる時もきれいなんだよなあ。」
「ああ、そうなんだ。」
シマリスさんが、こっくりこっくりしながら話を聞いた後、言いました。
「ボクは、そういうの、なにもしらないから。」
ふわあー、とあくびをしました。
「えっ、なんで?」
灰色ふわふわのエゾリスさんが言いました。
「だってボク、ずっとねてるもん。
冬の間?1年の半分くらいねてるんだよ。」
「なんだって!?
冬を見たことがないのかい!?
そんなにねたら頭ズキズキするよ!?」
「ああ、ごめん。
せいかくには何度も起きて巣穴でご飯を食べているよ。
今年も木の実、いっぱいたまったし、そろそろねようかな。」
しましまのシマリスさんは、眠そうに、じゃ、と片手をあげて去っていきます。
「つぎいつ会えるのー?」
エゾリスさんの大きな声がシマリスさんを追いかけます。
「桃色のお花がいっぱい咲くころかなー。」
「………
だいぶ、先だね………」
まだ日差しは暖かく、風が冷たい頃のお話。
「冬になったら」
11/18/2024, 12:54:20 AM