あん

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カレンダーをめくる
丸をつける
またカレンダーをめくる
また丸をつける
そしてまた・・・。

「そんなに丸、要らないと思う。」
後ろから声が聞こえてきた
聞こえないふりをした。
そう反応を返す事しか出来なかった。
君はもう死んでるんだから、ちゃんと死んだ自覚を持って、生まれ変わって欲しいから。
「何に丸つけてんのかと思ったら、私の月命日と付き合った記念日じゃん。 もう5年目からやるのやめたと思ったのに。」
もしかしてずっとやめて欲しかったのかな ごめんね
「別に嫌な訳じゃないよ。ほんとに。嬉しかった。」
そっか、なら良かったよ
「私の好きだったグミも、ちゃんと置いてくれてるんだね。ありがとう。」
君のおかげでこのグミを好きになれたんだ
こちらこそだよ
「私君の入れる珈琲だけは飲めたんだよね。不思議。」
そうだね 君珈琲苦手だったもんね

「、、、ねえ、幸せになってね。」
急にそんな事言わないでくれよ
「ほんとにホントよ。幸せになってね。」
そんなこと、、、「言わないでくれ、よ、。」
「っ、、ふふっ笑 ダメじゃん、私未練残っちゃうよ。」
本当はずっと言いたかった 行かないでって
「行かないで。嫌だ!嫌だよ、君が居なくなったら僕はっ、僕は!!笑顔になれない!!」
「ごめんね、本当にごめんなさい。 貴方を1人残して行くことを、どうか許して。 だからせめて貴方は幸せに生きて。」
「どうして君は、、、どうして、、」


抱きしめた君の体が少しずつ、少しずつ、僕の体に沈んでいった

9/11/2023, 11:03:21 AM