【小さな命】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
2/24 PM 5:30
「え、部活でその話をしたの?」
「うん。だって過去一サプライズだった
プレゼントはやっぱりそれかな~って
思ったから。合唱部のみんなのことも
驚かせちゃったみたいだったけど」
「当たり前でしょ……」
「確かに、婚姻届はすごいな」
暁の誕生日の話から、
オレに婚姻届を貰ったことがある
という話になったと、暁が帰り道に
宵と天明(てんめい)に語っている。
宵は完全に呆れモードだが、
天明はすごいなと言いつつ
笑っているあたり、
さほど驚いていないのかもしれない。
「もしかして、宵も貰ったのか?」
「おおお~、天明くん、ビンゴ!
真夜(よる)くんのこと、
分かってきてるね~」
――天明の予想通り、
暁に婚姻届をプレゼントした時、
オレは宵にも婚姻届を渡した。
その時も、宵は『将来結婚するか
どうかなんて分からないじゃない』と
呆れていたけれど。
きっと結婚だけが幸せの条件じゃない。
でも、愛せる人と出会って、結婚して。
時を経て新しい小さな命とも出会う。
それだって、間違いなく
定番の幸せの形ではあるだろう。
オレは、どうしたって宵と暁の幸せを
祈らずにはいられないから。
婚姻届は、いつか2人が結婚したいと
思える相手に出会えますようにという
願いの象徴。
ただそれだけのことだ。
2/25/2023, 8:59:19 AM