子供の頃に過ごした部屋は、大人の僕には狭くて、全部あの日のままで、懐かしいもので溢れていた。それは、優しくも出来ないくせに、優しさを受け入れられず、それでいて欲張りな、過去ばかり見詰める今の心みたいだった。限られた中で楽しむ口実を探していた僕は、もう、何処にも居なくて、代わりに、与えられた自由を恐れる余りに、楽しめない理由を探す僕が居る。
6/4/2024, 5:08:08 PM