音ノ栞

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今日世界が終わる。

街中がパニック状態だ。

美しかった街も今や荒れ果ててしまった。

私は荒れ狂う人達を無視して歩いた。

歩き続けた。

私には関係のない話だ。

死ぬのなんて怖くないのだから。

私は足を止めた。

新緑の中、佇み続けたもの。

それは一つの墓石。

……あぁ、愛する人の名前が書いてある。

やっとだ。

やっと、君に逢えるんだ。

私は墓石をそっと撫で、静かに寄り添った。

世界の終わりに君と一緒にいられなかった。

でも世界が終わればまた君と一緒にいられる。

終わりの瞬間が待ち遠しい。

一刻一刻と迫る終わり。

私にとっては再会でしかないのだから。


■テーマ:世界の終わりに君と

6/7/2024, 11:41:14 PM