お互いにこの歳まで独身だったら結婚しよう、なんて。
一番に仲のいい君が言うものだから、わたしは勝手に期待してしまった。今思えば、もうすでに君のことが好きだったのだから、いち早く心を明かしてしまえば、伝えてしまえばよかったのだ。
どうして躊躇ったのだろう。君を困らせたくないから?いや、違う。君に嫌われたくなかったからだ。関係を壊したくなかったからだ。男まさりのわたしに、そんな勇気はなかったからだ。
数年後、久しぶりに会った君は、すっかり父親の顔をしていた。生まれた子どもはもう3才になるらしく、大変だけれど可愛い宝物だと笑っていた。
君が幸せそうで嬉しかったし、一番仲の良い友人を祝福するのは当たり前だ。何より女であるわたしを、女ではなく彼の友人として認めてくれた寛容な奥さんには頭が下がる思いだ。
プレゼントの代わりに飯を奢り、じゃあな、といつものように手を振って、帰路についた。君がまだ独身でなくてよかった。面倒くさいわたしにつかまらなくて、本当に良かった。
この届かぬ想いは、届かぬままが一番よかったのだ。
4/15/2026, 2:02:26 PM