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お題:一筋の光

 「もしさ、あたしが死ぬ時一緒に死んでくれる?」
突然、君がそう言ってきた。君がそんなこと言うなんて珍しい。
「うーん、時と場合によるかも。」ちょっとだけ考えさせてと私がそう言うと君は可笑しそうに笑うんだ。
「えーあたしは貴女と一緒ならいつだって死んでもいいわ」
「何だかプロポーズみたいだね。照れるかも」

 そう言って他愛のないのことで話してましたね。
私は何てことないことで笑い合っていたあの頃が懐かしくて恋しいのです。
 あれから私は妙齢の歳になりました。
でも貴方の時は永劫に動くことはないのでしょう。
「嘘つき、一緒にならいつだって死ねるっていったのに…」
あんなことを言ったくせに、死ぬ時は独りで逝ってしまったの。
貴女が居なくなって、私はこの世界で光を失った気分だわ。
 貴女はいつだって私にとって一筋の光だったことに失って気づくなんてね…

11/5/2023, 4:03:32 PM