同じ学校に通う生徒という共通点が無くなれば、今みたいに毎日会うことができないのは分かっていた。そしてその日は数年以内にやってくることも。
けれどまだ『別れ』という経験が無い自分にそんな日のイメージはできなくて──心のどこかで漠然と「結局大人になってもいつも一緒にいるんだろう」と根拠もなく信じて疑わなかった。
「ごめんね、あのね……。実はもう、ここには帰って来れないかも知れないんだ」
まさか数年後ではなくたった今……、唯一の友人に告げられるまでは。
11/16/2022, 2:50:03 PM