私の頭が真っ白になった。
地面に横たわる人から広がる赤い液体。
見覚えのある顔。いつも話しかけた人の顔。
どんなときも支えあった友達の顔。
友達の華奢な体を吹き飛ばした車は走っていった。
何かを伝えようとする友達は、スマホを手に取り、震える手で文字を打つ……
「自分を責めないで」
だんだん頭が働き理解したくない状況を理解していく。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
認めたくない。
なんであんたみたいな良い奴がこんな目に会うの?
なんであんたが死ななきゃいけないの……?
お願い……誰か助けてよ……まだ息があるの!!!
助けてよ!!
こんなとき、時間を止めれる能力があれば彼を助けられたのに……。親友を失ったあとに、私はそんな妄想しか出来なかった。
9/20/2023, 7:49:45 AM