モンブラコン*

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 体が参ってるのは分かってる。
 次から次へと入る絵の依頼に、休みが埋められ、元々自分の休め方も解らないのも相まって、エネルギー解放ノンストップ状態に陥り、もはや不眠症とやらに成りかけている気がする。
 何とか時間見つけて入ったこのカフェ。
 所場代と称してドリンクが五百円超えるのは、大人になった今でも納得がいかない。
 フライドポテトを注文したらチョコソースが付いてきた。このカフェへの好感度上昇。
 で、そのチョコソースを狙う、隣の席の獣耳付き見た目AV女優…。
 無言でチョコソースを差し出してみた。
「お主、良いやちゅ!」
 こうして私は今日も徳を積む。
 獣耳AV女優はチョコソースを全て、平皿のライスにぶっかけた。見なかったことにしよう。
「…じぇ、お主の悩みちょわ?」
 獣耳AV女優は唐突だった。
 流れに乗ろう、今の私に、流れに逆らう気力等無いのだから。
「良い人の顔して、人のネタをパクりまくる奴の評価が高いのが、胸くそワルいんですよね」
 吐き出してみた。
「しょんなん、無視すりばエエよ。見なけりば、ソイツばお主の世界から追い出しぇるじぇ」
 ……そっか、そうだね。
「ありがとう」
「うむ」
 カフェを出る時、背の高い獣耳男性と高校生の二人組と、すれ違った、獣耳AV女優の仲間だろう。
 私はまた、最近の私のいつもの場所に戻る。
 少しずつ、強くなってやる、
 無敵になってやんよ。

6/27/2023, 12:33:55 PM