Rara

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好き嫌い



彼女は好き嫌いが激しい。
「トマト?嫌い!」
「ピーマン?もっと嫌い!」
「野菜嫌い。なんで食べさせようとするの?」
「それより一緒に甘いもの食べましょ。私いい店知ってるの」

彼女は好き嫌いが激しい。
「この服嫌い。なんか微妙」
「この本嫌い。文章読むのは苦手なの」
「このお菓子嫌い。パサパサしてるのよ」
「贈り物のセンスがないわね。私が選び方を教えてあげる、今週の日曜日は暇?」

彼女は好き嫌いが激しい。
「あの女嫌い。ぶりっ子だし、影では悪口ばかりだし。」
「あの女も嫌い。彼女持ちの人にばっか擦り寄って。」
「あの女とか大っ嫌い。外面はいいけど最低なのよ」
「あんなのが好きなんてどうかしてるわ。あなたに釣り合わない。もっといい人を探したらいいわ」

彼女は好き嫌いが激しい。
「また野菜?大嫌い。でも、あなたは料理上手ね。また作ってちょうだい」
「またプレゼント?あら、これが好きだって覚えていてくれたのね。やるじゃない」
「あら、いい人を見つけたの?ふうん。また変な女じゃないでしょうね?」
「えっ…わ、私…?」

彼女は好き嫌いが激しい。
「私、指輪は銀色のほうが好きよ」
「新婚旅行は国内がいいわ、外国は苦手なの」
「式場…ここは好きじゃないわ。こっちはどう?」
「いただきます。…野菜炒めも案外悪くないわね」

妻は好き嫌いが激しい。
「私、あなたのこと大好きよ」

6/12/2024, 1:30:15 PM