スマイル
君の笑顔は太陽みたいに眩しい。宝石のような瞳は僕の全てを見透かしている。お天道様が見ているってこのことかといつも思う。
僕は信じない。君は今日もいつもの笑顔で僕を待っているんだ。そうに違いない。
……違う。こんなの、君じゃない。
彼女の透けた瞳は隠されていて、白い歯も見えなかった。太陽が、沈んでしまった。
「あ、あああああああああ」
周りの声が聞こえなくなって、視界が暗転した。
目が覚めて、僕は自分の目を潰した。
偽物の太陽が、高いところから嘲笑っているようで腹がたったから。
『あなたは、寂しい夜に優しく照らす月みたいだね。』
君の言葉が反芻している。優しくて心地よい、春の風みたいな声だった。君の笑顔がないと僕は光れないのに、それすらも忘れていく自分に嫌気が差す。
見えない目がじんわり熱くなって、馬鹿みたいに泣いた。
2/8/2024, 12:00:09 PM