せつか

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私は罪を犯した。
その罪を裁いて欲しい。
許すなんて言わないで欲しい。

あなたが何度もそう言うので。
あなたがずっとそう言い続けるので。
そうした方があなたも私も救われるのかと、そう考えてみたのです。

けれどそうして、いざそうしようと心に決めて、あなたを許さないと、あなたに罪を償わせたいと言おうと思って、あなたの顔を見据えるたびに私は言葉を失くしてしまうのです。
色素の薄いあなたの瞳が、夕日を受けて輝く湖のように澄んでいるから、私は罪とは何なのかと、自らに問うてしまうのです。

あなたが罪人だというのなら、私はあなたという罪人を許した罪で、いつか裁かれるのでしょう。
いつか来るその時に、あなたの澄んだその瞳を思いながら·····××××いい。


END


「澄んだ瞳」

7/30/2024, 12:06:23 PM