自分だけにあるもの。
他の誰にも無いもの。
世の中を知るまでは持っているつもりだった。
でも、上には上が居る。
私だけの持ち物、愛してくれる人、才能。
手の中には何も無かった。
……それでも、好きな事を見つけて没頭するとその劣等感は薄れた。
それは人によって違うだろうけど。
私は好きな活字にふれていれば、それは薄くなった。
自分で書いて公開する小説に、身に余る程の感想をもらい。
毎日続けていくうちに気が付いた。
それこそ上には上がいるけれど。
それがなんだと言うのだろう。
私だけの物語、私だけの主人公。
例えばそれを、駄作だと笑われても。
……これは私だけのものだ。
履き違えていた。
人より優れていなくてはいけないと思うから苦しかった。
"私だけ"を求めてしまった。
手を伸ばせば、見渡せば無限にある色も、匂いも。
私だけの表現で。
いくらでも、私だけのものに出来るのだ。
7/18/2023, 10:10:07 AM