どこまでも落ちていく夢を見て、思わず飛び起きる。
周りはまだ真っ暗だったので、枕元にあるスマホを手に取り、時間を見ると午前2時の真夜中だった。
寝直そうとすると寒い空気を肌に感じた。
おかしい。
エアコンをつけているので寒くなるはずが無いのだ。
寝ぼけ眼をこすりながら、寒さの元をたどると窓が開いているようだった。
しかも閉まりきってなくて少し開いているというのではなく、窓全開である。
寒いはずだ。
寒さの原因は分かったが、ひとつ疑問が残る。
窓が全開で開いていると言うのに、私が今まで寒さを感じないのはおかしい。
つまりついさっき誰かが開けたということだ。
その瞬間、私は背中に気配を感じ、振り返るが誰もいなかった。
念のため部屋を見渡していると、窓の外からドサッという音がする。
何かを落ちたのだろうか?
そう思い外を見ようとして―
さっと横に体をずらす。
すると後ろから私の背中かを押そうとした人影が、勢い余って人影の体半分が窓の外に出る
人影は驚いたようにこっちを向くが、その顔には何もなく完全な闇であるため、私は相手が悪霊だということを確信する。
悪霊は体勢を立て直そうとするが、その前に私は力いっぱい悪霊突き飛ばし、窓の外に押し出す。
悪霊は何か言おうとしたようだが、そのまま下に落ちていく。
ここはアパート十階だ。
悪霊とはいえ、ただでは済むまい。
ここ最近、さっきの悪霊が毎晩窓を開けるので困っていたのだ。
しかし、悪霊は退治したので、寒くなることはあるまい。
私は清々しい気持ちで眠りに落ちていくのだった。
11/24/2023, 9:36:42 AM