G14

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 どこまでも落ちていく夢を見て、思わず飛び起きる。
 周りはまだ真っ暗だったので、枕元にあるスマホを手に取り、時間を見ると午前2時の真夜中だった。

 寝直そうとすると寒い空気を肌に感じた。
 おかしい。
 エアコンをつけているので寒くなるはずが無いのだ。
 寝ぼけ眼をこすりながら、寒さの元をたどると窓が開いているようだった。
 しかも閉まりきってなくて少し開いているというのではなく、窓全開である。
 寒いはずだ。

 寒さの原因は分かったが、ひとつ疑問が残る。
 窓が全開で開いていると言うのに、私が今まで寒さを感じないのはおかしい。
 つまりついさっき誰かが開けたということだ。

 その瞬間、私は背中に気配を感じ、振り返るが誰もいなかった。
 念のため部屋を見渡していると、窓の外からドサッという音がする。
 何かを落ちたのだろうか?

 そう思い外を見ようとして―

 さっと横に体をずらす。
 すると後ろから私の背中かを押そうとした人影が、勢い余って人影の体半分が窓の外に出る
 人影は驚いたようにこっちを向くが、その顔には何もなく完全な闇であるため、私は相手が悪霊だということを確信する。

 悪霊は体勢を立て直そうとするが、その前に私は力いっぱい悪霊突き飛ばし、窓の外に押し出す。
 悪霊は何か言おうとしたようだが、そのまま下に落ちていく。
 ここはアパート十階だ。
 悪霊とはいえ、ただでは済むまい。

 ここ最近、さっきの悪霊が毎晩窓を開けるので困っていたのだ。
 しかし、悪霊は退治したので、寒くなることはあるまい。
 私は清々しい気持ちで眠りに落ちていくのだった。
 

11/24/2023, 9:36:42 AM