E

Open App

『無色の世界』

盲目な少年はいつも縦笛を吹いていた。

静かな畔に響く彼の音色は、楽しそうに、イキイキとしているその音はみんな大好きだった。

だが、あまりそれをよく思わなかった人が現れた。
彼は少年の縦笛を奪い、谷底へ落とした。

少年は悲しみのあまり、夜が明けるまで泣いていた。

悲しみの夜に暮れていると、ふと、暖かな陽の光が少年を照らした。
柔らかな風に、包み込むような仄かな光は少年の心を満たした。

そして、ふと、横に何か置かれているのに気がついた。
手に取りそれが笛であることがすぐに分かった。

少年は優しくそれを撫で、沈みゆく月にセレナーデを送った。

4/19/2026, 12:59:32 AM