「フィルター」
僕はコーヒーのフィルター
朝は全力で美味しいコーヒーを作る為
頑張らねばならない
一回の生命だから
何としてもコーヒーの旨味を出す
この仕事に生命をかける
ご主人は朝は大体
機嫌が悪い
その分、僕のフィルターの身体は鳴り
張り切るのだ
ご主人は起きて
朝のルーティンとして
コーヒーを淹れる
さぁ、僕の出番だ
コポコポ
コポコポ
コポコポ
お湯が注がれる
僕の身体はコーヒーを抽出する
僕の生命と共に
頑張った身体は
もう、お湯を3杯入れたら
限界みたいだ
意識が遠のく
ご主人は満足そうに
機嫌が良くなる
「あぁ、良かった…」
遠のく意識の中で
そう思うのだった
9/9/2025, 10:58:11 PM