好きな色
昔の僕の部屋はこんなにたくさんの色であふれてはいなかった。必要最低限の日用品と家電、家に帰って寝るだけの生活をしていた。掃除もあまりしなかったから、今よりもっと暗くて、汚れていた。
それがいつのまにか、君色にあふれている。
日用品はカラフルに、家電の色は統一してキリッとさせる。君がこまめに掃除するから、部屋は明るく、汚れ一つない。そして、君の好きな小物が置かれた。生活に必要がないものだけど、君が少し物を置いて、飾った方が良いと言って、小さい写真立てを買ってきた。
「今度、一緒に買い物に行って、あなたの好きな色の物を買おうよ!だってあなたの部屋なんだから、あなたらしい部屋にしよう」
ーあぁ、この部屋は君色にも、僕色にも色づいていく。
6/21/2023, 10:19:15 AM