towa_noburu

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嵐の次の日、僕は庭で雲を拾った。小さな手のひらサイズの雲を拾った。風の悪戯か、こんな地上まで落ちてしまった可哀想な雲は、僕の手のひらで雨を降らした。「お母さん、雲飼っていい?」家に帰ってさりげなくお母さんに聞いてみる。「駄目よ、元いた場所に返してきなさい。」お母さんはこちらを見向きもせずにそう言った。僕はがっかりして、庭に戻った。手の中で雲は元気よく暴れている。僕は少し名残惜しいけど、手を思いっきりお空に近づけて、そっと空に雲を離した。
「ばいばい。もう落ちてきちゃ駄目だよ。」雲に僕の言葉が届いたのかどうかはわからない。雲は元気よくお空の彼方に飛んで行った。

1/17/2025, 10:14:55 AM