母は、言う。
「何事に対しても、敬意を払える人で在りなさい。」と、
「例え、理解が及ばなくとも、何事にも価値は在るのです。」と。
子どもの頃は、全く理解出来ず苦しんだ。
今なら解るよ。
結婚して気が付いたよ。
妻から言われた言葉で。
「あなたは、私をいつも大切にしてくれる。
お義母さんに会ったとき、そう言ったのね。
そしたら、『良かった。』って、涙ぐんでたの。
その時、あなたが私を尊重してくれる理由がよく分かったの!
お義母さんは、必ず私に聞いてくれるの。
『無理しないでね、嫌だったら、すぐ言ってね。』って。
あなたは、お義母さんに尊重されてきたから、私を尊重してくれるのね。
改めて、あなたと結婚して良かったわ。
こんなに素敵なお義母さんが出来て、私は本当に幸せものね。」
嬉々として、妻は話してくれた。
今思い返せば、いつも尊重されて育った。
行きたい学校があると言えば、大事な仕事であっても休み、
僕の学校見学に同伴してくれた。
やりたいものがあるといえば、何でも習わせてくれた。
当たり前、そう思っていたことは、全て母の努力によるものだったのだ。
もしかすると、こうして愛は形を変えながら受け継がれるのかもしれない。
「お母さん、いつもありがとう。」
僕は、久しぶりに母に電話を通して、感謝を言葉にした。
11/22/2024, 11:20:14 PM