苑羽

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幸せな夢だった。
目が覚めたら、君が隣にいるんだ。
寝起きで、ちょっと不機嫌で。
起こしちゃったな、ごめんねと言ったら、ふにゃりと柔らかい笑みを溢した。
幸せそうな顔で、僕は心から、この笑顔を守りたいって思ったんだ。
ありがとうも、ごめんねも、こんなにいうのが辛いなんて。
君は一体、幾つの魔法を僕にかけたのかな。僕にはちょっと効きすぎたみたい。

ああ、目を開けたくないな。開けるのが怖いんだ。
だってもう、僕の隣に君はいない。
僕はどこで間違ったんだろう。それが分からないから、君に呆れられてしまったんだね。
夢と現実の狭間で、僕は暫く、子供のように駄々をこねた。

「夢を見てたい」

1/13/2024, 12:14:36 PM