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本気の恋

僕は恋愛経験が少ない。
早くから家族の経済的支援をしなければいけなかったので働く以外の余裕がなかった。
経済的支援の後には介護が待っていた。

そんな僕にも本気の恋愛をしたことが二度ほどあった。
残念ながら、どちらも結婚には結びつかなかった。
きっと結婚をしていたら、相手に苦労をかけていたと思う。

だからこれで良かったのだ。

初めて僕がお付き合いをしたのは高校2年の頃だった。
修学旅行の時に相手から告白してくれた。
僕は相手のことをよく知らなかったので、お友達から始め、その後正式にお付き合いを始めた。

色々な場所に行くことができ沢山の思い出を作ることができた。
僕の高校時代の最高の思い出だ。
その後、父が借金の連帯保証人に巻き込まれてしまい資産を失ってしまったので、弟たちの学費を工面する必要があった僕はひたすら働き続けた。
必然的に彼女とは会えなくなってしまったので、お別れすることになった。相手には既に別の男性がいた。

2度目の恋愛は僕が小学校から知っている子だった、僕の事情を知ってくれ、沢山励まし、力をくれた。
気づいたら僕は彼女のことばかり考えるようになった。
辛い状況を乗り越えられたのも 彼女のおかげだ。
彼女は僕だけでなく、僕の家族も救ってくれたのだと思っている。

お付き合いをはじめてしばらくしてから僕の家族に介護が必要なことが分かった。
彼女は介護を手伝ってくれると言った。
だが僕は彼女の負担にだけはなりたくなかった。
だから話し合いを重ねた末に身を引いた。

介護を実際に始めてみると、僕の選択は正しかったと思った。

以上が僕の数少ない恋愛だ。
書くにあたり、昔を少し振り返ることができて、とても懐かしく、少しの寂しさが僕の胸に迫った。

9/12/2023, 10:45:16 AM