【木漏れ日】
「おや、奇遇だね」
そう言ってお前はころりと寝転がる
ざわざわと鳴る葉の音を聞きながら
俺は静かにページをめくった
太陽は雲で隠れ地上は少し暗い
「その本、いっつも読んでるね」
横から聞こえてくる雑音は聞き流そう
「相変わらず冷たいな〜」
…聞き流そう
俺は本を読むので忙しいんだ
「ねえ、空が晴れてきたようだよ」
その声に思わず空を見上げる
雲が過ぎ日が葉から漏れて落ちてきた
「眩し……」
「そんなに太陽見てたら目玉が焼けてしまうよ」
心配はありがたい、が
この後しょうもないジョークを言うのが目に見える
「これがホントの目玉焼きってね」
「はぁ……」
相変わらずコイツはお調子者だ
だけど今日はこの空に免じて許してやるか
5/7/2025, 1:59:39 PM