霧夜

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海を越えて、山を越えて

辛い世界から、抜け出す為に

何処か、見知らぬ土地へ

君と、二人で

---二作目---

電車に揺られて、のらりくらり。
どうしようもなく、あの場所から逃げ出したくて
乗り込んだ電車。

逃げたんだ、俺は。全てを投げ捨てたんだ。
なのに、どうして

「どうしておまえは...ここにいんだよ...」
「ん?私が居る旅はつまらないですか?」
「いや、そういう訳じゃなくて...なんで、こんな俺に着いてくんだよ...?」
「愚問ですね。私は君の傍に居たいのですよ。だから着いてきた、これ以上に理由がありますか?」
「...おかしな奴」
「ふふ、褒め言葉として受け取っておきますね☆♪」

楽しそうに、まるで無邪気な子供のように言うこいつ。
でも、俺への想いを言う時の表情は、まさに真剣そのもので。
嗚呼、こいつが居てくれて、嬉しいと思ってしまっている俺は
もう引き離してやれないからな。

#遠くの街へ
225作目

2/28/2024, 10:41:38 AM