星乃 砂

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《巡り逢うその先に》
        第2章 ⑤

主な登場人物
 金城小夜子
     (きんじょうさよこ)
   玲央      (れお)
   真央      (まお)
 椎名友子  (しいなともこ)
 若宮園子 (わかみやそのこ)

 向井加寿磨 (むかいかずま)
   ユカリ      (母)
   秀一      (義父)

 桜井華   (さくらいはな)
 高峰桔梗(たかみねききょう) 
   樹      (いつき)

 柳田剛志 (やなぎだたかし)
 横山雅  (よこやまみやび)

 京町琴美(きょうまちことみ)
 倉敷響  (くらしきひびき)

【神様だけが知っている】
金城小夜子は祖母の死のショックから仕事でミスを繰り返し、お客さんからの信用を無くし、客足が遠のいてしまった。
そこに玲央たちが来た。
「お姉ちゃん」
「ノド渇いた」
「「麦茶ちょうだい」」
いつもの玲央と真央の双子トークだ。
「剛志君、雅ちゃん、こんにちは、ちょっと待っててね」
「お姉ちゃん」
「お客さん」
「「いないね」」
「そうなのよ、玲真(玲央と真央の略語)たちもお客さん集めるの協力してくれない?」
すると、剛志が周りを見回して聞いてきた。
「そこにある中古の自転車はこのあと廃棄するのですか?」
「これは下取りした自転車で部品取りのために置いてあるのよ」
「小さい子向けの自転車も4・5台あるんですね。その自転車を無料で貸し出ししてみませんか?」
「どういうこと?」
「そこの空き地で練習用として貸し出すのです。購入を考えている人、補助輪を外そうか考えている人、大きいサイズに買い替えを考えている人達に自由に使ってもらうのです」
「それいいかも、早速やってみるね。ありがとう」
次の日曜日から、お客さんが増え始め、1ヶ月後には以前よりお客さんが増えていた。
よかったわ、これも剛志君のおかげだわ。あの子って本当に小学1年生なのかしら?
「剛志君のおかげで」
「お客さんが増えたって」
「お姉ちゃんが言ってたよ」
「また、遊びに」
「「来てねって」」
「そうですか、お役に立てて良かったです」
剛志はこれで本当に良かったのかと少し後悔していた。
あまり人に影響を与えない方がいいのではないかと。
しかし、すでに雅ちゃんや玲央真央には影響を与え続けている。
この時代の人に関与し過ぎると僕は罰を受けるのだろうか?
それは神様だけが知っている

           つづく

7/5/2024, 2:57:30 AM