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「あの日をもう一度やり直せるなら」
そう、何度思い返しただろう。
ずっと思いこがれていた。きっかけなんて当の彼方に忘れてしまった。君を一番に理解してるのは私だなんて軽い思い上がりをして、教室での隣を独占して。なんなら一度思いの丈をぶつけて玉砕したんだよなぁ。イベントの1ページとして、日常には関係ないものになっていたけど。
受験の年にクラスが分かれた。東京に出たい、という話はずっとしていたね。自分のことに精一杯で、君の行き先に考えが及ばなかった。私の、行きたくてたどり着いた場所は君の友達の枠からも外れたところだった。
あの日は。
大学に進学して2度目の夏だったけ。地元で好きなアーティストのライブがあって誘ってくれた。東京から帰ってくるって。誘われた時はいきなりで驚いたけどとても嬉しかった。
それにどんな意味があったのか、今でもわからないけど。
感想言い合う帰り道。終演後のテンションは長くは続かずどんどんなくなる会話。
あぁ、これで最後なんだなって、わかった。---うそだ。一挙手一投足にドキドキする気持ちに、これ以上振り回されるのが辛いって。色々言い訳して、自分の気持ちから、逃げた。物分かりのいいフリをした。
「また連絡してね」なんて、最後の言葉。
せめて、再度好きと告げていれば。会えなくなる、と言う結果は同じでも後悔は引き摺らなかったかもしれない。
泣きたくて、でも何もしてない私に泣く資格は無いとわかってた。涙なのかなんなのかわからないものを堪えながら見上げた物憂げな空。
好きだった、好きだったよ。
伝えられない気持ちと一緒にあの空の色、忘れない。

2/26/2024, 4:10:41 AM