たーくん。

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太陽の光を浴びて、熱々になった砂浜。
今日の空は雲一つなく、絶好な快晴だ。
私は、波が届くか届かないかの所にしゃがみ、指で砂浜に文字を書いていく。
これは、先月交通事故で帰らぬ人となり、先に天国へ行ってしまった彼氏への手紙。
想いを込めながら、指を動かす。
砂浜が熱くて、まるで鉄板の上を指でなぞっているみたいだ。
物を使って書くのではなく、指で書いたほうが、より想いが込もると思う。
結局、書いたのは"大好きだよ"の五文字。
シンプルで短すぎる手紙。
本当は色々書きたかったけど、書くとキリがないので、ぎゅっと想いを凝縮させた。
立ち上がり、少し離れて、空にいる彼氏に手紙を見せる。
空のどこかで、この手紙を見てくれてるといいな……。
ざぶ~ん、ざぶ~んと、波の音がする。
足に波が当たり、靴がびしょ濡れになった。
下を見ると、まるで手紙を受け取ったかのように、書いた手紙が綺麗になくなっている。
再び空を見上げ、彼氏に想いが届いていることを願いながら、雲一つない青空をしばらくの間見続けた。

8/3/2025, 1:09:03 AM