【落ち葉の道】
どこがで聞いた。
皆が綺麗という桜や紅葉は
どちらも花や葉の最期の姿だ。
花開く前や青々しい新芽の方が
何倍も頑張って生きているのに、
力尽きて死にゆく様が綺麗と言われてしまうのは
何故だろうか。
そんなことを聞いてから、
紅葉の見る目が変わってしまった。
人も同じなのだろうか。
今を頑張って生きているのに、誰も私を見ない。
ずっと先の未来で私が死んだら、
その生き様を綺麗と誰かが言ってくれるのだろうか。
では台風や土砂崩れで折れてしまった樹は
報われないのでしょうか。
人の世に揉まれながらも必死に立った者でも
全てが終わった頃にしか綺麗と言われないのならば、
誰が必死に生きてきた道を褒めてくれるのでしょうか。
この世は結果しか求めていない。
それまでの道には興味はない。
結果にたどり着かずに途中で息絶えた者は
落ち葉として、次に歩む者に踏まれる運命なんだ。
いくら努力しても、才能があっても、
才能を持ち合わせる努力家に先を越される。
その努力家でも、死にゆく瞬間しか綺麗と言わない。
所詮、大樹から落ちた葉だ。
大きな大地は知らないだろう。
結果までの過程の美しさを。
11/25/2025, 2:43:40 PM