とある恋人たちの日常。

Open App

 
 日本の年の瀬ということで、お蕎麦を準備する。
 恋人は今日仕事納め、明日仕事始めでどうしてもこの時期は忙しくしていた。だから、彼を支えたくて家事を協力する。
 
 料理が得意という訳じゃないけれど、彼に喜んでもらいたくて毎日お昼はお蕎麦の練習をしていた。
 
 その甲斐あってか、お蕎麦を喜んで食べてもらえた。
 
「おいしかった〜、ごちそうさまでした〜!!」
「おそまつさまでしたー!」
 
 食べ終わって落ち着くかと思いきや、彼が片付けようとするもんだから手のひらを正面に出して彼を止めた。
 
「だめです、ゆっくり休んでください!」
 
 ピシャリと言い切るとなにか反論がありそうな顔をされるが、今日もお仕事で疲れているに違いないんだ。
 明日も仕事なんだから、こういう時はゆっくりして欲しいの。
 
 そう思って私は彼をソファに追いやってから急いで片付ける。
 
 コソ練していたから片付けもお手のもので、洗い物も済ませてから暖かいココアを用意してから彼の座っているソファに向かった。
 
「あ」
 
 腕を組んだままこっくりこっくりと首を動かしていた。
 
 やっぱり仕事、お疲れじゃないですか。
 
 彼の無防備な寝顔を見ていると自然と口元が緩んじゃう。
 この寝顔は私だけのものだ。
 
 お風呂を沸かしたら彼を起こそう。
 その後で寝る前に言うんだ。
 
 良いお年を、ってね。
 
 
 
おわり
 
 
 
五九四、良いお年を
 
 
 

12/31/2025, 11:30:19 AM