彼女は消えた。
突然僕の目の前から姿を消したのだ。
彼女が消えたのは3年前の今日。
そう、僕の、、誕生日だった。
ー3年前ー
「今日も天気良いねぇ」
「天気良いねぇ。じゃないよ全く」
「えへへ〜」
「本当に気をつけてよね心配したんだから」
「ごめんごめん!すぐ治るって!」
「ったく。ほらプリン」
「わぁい!プリンだ!!」
喜ぶ様にプリンを食べる彼女。
この後に来る後悔なんて知らずに笑う僕。
どこで間違えてしまったのだろうか。
「、、え?」
「あー、なんか頭?を強くうっちゃって」
「本気で言ってんのか、?」
「あ、えと、余命、半年だって、、」
頭が真っ白になった。
鈍器で強く頭を殴られたみたいな感覚に陥り受け入れることは到底できるはずも無い。
助けることは出来ないのか。
彼女を救うことは出来ないのか。
何度も強くそう思った。
「で、でもほら!天気はいいし!」
「、、、」
「ほ、ほら青い空、白い雲!快晴だよ!」
「もう、やめろよ、、晴香」
「、、空良ぁ死にたくないよ(泣)」
初めて彼女は弱音を吐いた。
僕は彼女が流す涙を見つめ綺麗だなんて考えていた。
そして半年がたった7月19日。
彼女は死んだ。
「、、うっ、くっ、、はるかぁあ!!」
僕は声を殺し泣き続けた。
そして彼女がいなくなって3年がたった今日。
僕は新たな道を歩む。
「晴香見ていてくれ。僕は立派な医者になるよ」
快晴な空を見上げ今日もまた1人と患者を救う。
今の僕に出来ることはそれくらいなのだから。
ー「大丈夫だよ。ちゃんと見てる頑張れ空良」
END
お題「天気の話なんてどうだって良いんだ。僕が話したいことは、、」
5/31/2023, 12:45:24 PM