また死者が出た。
仕方ない、人は脆いのだから。私のように傷がすぐ治癒することも、なくなった部位が再生することもない。
顔に布が被せられた遺体が次々と運ばれてくる。わかる。あの子も、あっちの子も皆、私が武術を教えた。生きて帰ってくるように、出立前に発破を掛けたのだが、それでも犠牲は出るものだ。
「準備ができました。いかがしますか?」
部下が後ろにやってきて報告した。
わかっている、感傷に浸っている暇などない。そんな資格もない。
「燃やせ」
一言、命令して踵を返す。
早急に次の駒を準備しなければ。私たちはこんなところで立ち止まるわけにはいかないのだから。涙一滴すら流さない私を許さなくていい。
火葬場から聞こえるごうごうという音が、死者の悲鳴に聞こえた。
大丈夫。あとは任せて、ゆっくり眠るがいい。
「ありがとう、ごめんね」
無駄にはしない、君たちの死は誰一人として。
必ず、誰もが笑って暮らせる日を……私が連れてくると誓うとも。
【ありがとう、ごめんね】
12/8/2023, 11:52:12 AM