君からのLINE
こんばんは。 何事かと思った。夜中、彼女からのLINE。とりあえず返信。
LINE苦手って言ってなかったっけ。
うん。ちょっといろいろあって、話したくて。でも寝てたら悪いからLINEにしてみた。
ああ、そう。なに?大丈夫?
それがさ、空き巣に入られた。
ええー。大丈夫?
うん。
何か取られた?お金とか。
お金は置いてないから大丈夫だったけど。
けど?
冷蔵庫のプリンがなくなってた。
……。
ちょっと。既読ついてますけど?
……。
電話の着信が来た。僕は恐る恐る出た。
やっぱりお前かー。 夜中とは思えない大声だった。
ごめん、昼間行ったら見つけたから。
楽しみにしてたのにー。1日の最後、プリンがあると思ってバイト頑張ったのにー。
ちょっと声大きいよ。夜中だから。LINEにしよ、ね。
わかった。 ブチッと通話が切れた。
そこから延々と、怒りと謝罪のメッセージが繰り返された。
LINEが苦手って言ってたけど、とてもそうは思えない速さで返事が来る。
でもLINEでまだ良かったなぁ。目の前だったらと思うと……。
とにかく明日、謝りに行こう。特製の極上の限定の、無添加無着色の、匠の技が光る、全米ナンバーワンのプリンを持って。
2個、いや、10個持って行こう。
9/16/2024, 2:02:04 AM